大人ですか?
はい、私は大人です。
大人歴18年になります。子どもじゃありません。
煙草も吸えるし、お酒も飲める。選挙権もあるし、運転免許証だってある。
なんだったらアダルトなお店にも行けるし、ビデオもレンタルできる。
れっきとした大人だ。
だけどときどき、大人であることを忘れる。
童心に帰る、という意味ではない。
少年の心をもったまま、というわけでもない。
ただの人間がそこにいる、という意味だ。
最近、Twitterで若者と絡んだりしている。
絡んでみたり、絡んでくれたり。
20代の子もいるし、10代の子もいる。
小学生はさすがにいないが、中学生と絡むこともある。
そういうとき、大人である自分を忘れるのだ。
ごく自然に、「おはよう」とか、「おやすみ」とか、「おかえり」とか言ったりしている。
よくよく考えてみたら、彼ら彼女らはまだ子どもなのだ。
成人していない。
学校に行っている子が多い。
そういう子たちと、絡んでいるのだが、もしかしたら私は彼らの学校の先生よりも年上なのかもしれない。
なんとも不思議な感覚である。
私が高校生のころ、現代文の先生は23歳だった。
とても綺麗な先生で、私は恋に落ちた。現代文の成績も上がった。
だが、その先生はたった1年いただけで、寿退社してしまう。
それも、私があんまり好きではないS先生とだった。
ちくしょうめと思った。
テニス部の顧問の先生は31歳だった。
31歳なのに、ハゲていることで有名だった。
そして鬼のように恐かった。
現代文の先生も、顧問の先生も、当時の私からみたら大人だった。
私とは遠く離れた存在なのだと認識していた。
それでも気が付けば、私はあのころ先生だった大人たちの年齢を越してしまったのだ。
いまの私からみたら、23歳なんて、めちゃんこ若いし、31歳だって、うらやましいくらいに若い。
私はちゃんとした大人になれているのだろうかとときどき思う。
大人というものは社会を背負っている。
自分が中学、高校生のころ、「俺たちが大人になって大丈夫だろうか」と心配した。
一応学校の勉強はするが、社会のことなんて何も分かっていない。
自分たちが大人になって、ちゃんと国会議員とか、お医者さんとか、弁護士とか、学校の先生とか、あるいは「親」というものになれるのだろうか。
そういうことを心配していた。
残念ながら私には子どもがいない。
なので、誰かの親ではない。
そのせいなのかもしれない。精神年齢が低いのは。
私は自分を客観的に見て、ずいぶんと子どもだと思う。
20歳とは思わないが、30歳から35歳くらいだと思う。
実年齢はあと一ヶ月で38だ。
定職に就いていないもの、大人になりきれていない理由なのかもしれない。
最近思うことなのだが、大人というものは、「何者」かになるということだ。
何者。
『何者』という小説がある。朝井リョウさんの小説だ。第148回の直木賞受賞作らしい。
読んだ。
就職活動をする大学生の話だ。
内容はほとんど忘れてしまったが、そのタイトルだけは覚えている。
そう、何者。
入院しているとき、私より1歳年上の作業療法士さんにお世話になった。
女性である。
彼女には子どもがいて、中学3年生になるという。
立派な「お母さん」である。
そんな作業療法士さんを見て、私は「何者」でもない自分を恥じた。
同じくらいの年齢なのに、この差はなんなんだろうと思った。
彼女はどこからどうみても大人だった。
外見だけではない、中身も大人だった。
ところが私は、外見こそ大人だが、中身は子どものままだと気がついた。
何者でもないからだ。
もう一度言うが、大人というものは、「何者」かになることである。
誰もが総理大臣になれるわけではないが、何かしらの社会での役割を担うことになる。
なんでもいい。
八百屋さんでも、魚屋さんでも、トラックの運転手でも、社会の中で、何者かになるのだ。
私にはそれがなかった。
仕事をしていないわけではない。
いまの仕事を言葉にするなら、私は個人事業主であり、セラピストだ。
一応のところ、社会の中で役割を与えられ、業務をこなし、お金を頂いている。
大人といえなくもない。
だが私の中で、「作業療法士」さんの存在がひっかかっていた。
そうしたわけで、私は○○士になりたいと思うようになった。
弁護士にはなれないので、出来ることを考えた。
自分の経験を考慮して、描いたものは「鍼灸師、指圧マッサージ師」だった。
漢字は違うが、まあいいだろう。
だが、鍼灸師になるためには学校へ行かなければならない。
国家資格も取らなければいけない。
そして、お金がかかる。
私がもし、専門学校に言って、独立するとしたら、1000万はかかるだろうと見積もった。
1000万あれば、私は自分の描く道を歩むことができる。
だが、現実的な問題、1000万円貯めるのはおよそ不可能である。
100万円なら可能だ。
だとしたら、その100万円を元手に投資してお金を増やすしかない。
ずいぶん遠回りだが、それが一番の近道だと思う。
なので私は、お金について勉強しなければならなくなった。
大変だが、やるしかない。
昨日は「進路」について書いたが、今日は「大人」について書いた。
ちゃんとした大人になりたいと思う。
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よろしく。
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