書評#26『コンビニ人間』

書評

総合評価:☆☆☆☆
表現力:☆☆☆☆☆
面白さ:☆☆☆☆
また読みたいか:☆☆☆
文学的価値:☆☆☆☆☆

コンビニ人間

 書評第26作目は村田紗耶香さんの『コンビニ人間』です。

 この小説を読むのは二回目です。

 とても社会的に評価されていたので読んだのですがはじめ読んだときは「へー」くらいでした。

 ところが二回目読んでみるとその内容のすごさが伝わってきました。

概要

「いらっしゃいませー」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。

小倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。

日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。

ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて……。

現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

感想

 私は小説家なのでどうしても編集者的な目で作品を見てしまうところがある。

 初読のときは「どうしてこれが芥川賞受賞?」と思っていたのだが、二度読むとそれも納得した。

 冒頭のコンビニで働くシーンでは一気に作品に引き込まれるし、主人公「恵子」の異質さを感じながらも、「普通とは何か」というテーマについて考えさせられた。

 正直唸ってしまった。

 私自身コンビニで働いていた経験もある。なのでコンビニのシーンでは「あるある」と頷いてしまうところも多数あった。

 でもそこじゃない。

「普通ってなんだろ」ということがこの小説の最大のテーマだと思う。

 私は普通の人間なので(?)この本を読んでいると主人公恵子が異質であると思うのだが、読んでいるうちに彼女が異質なのか社会が異質なのかよくわからなくなってくる。

 そもそも、「普通」とは何か。

 ものすごい哲学的なテーマだったのだ。

 正直、唸るしかない。

まとめ

 うまくまとめられないけれど、とても良い作品でした。

 文学とは何か、という問いの答えに少し近づいたような気もします。

 よかったら読んでみてください。

 

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