はじめに
この書評はマンガは含まれないはずだった。
小説、エッセイ、ビジネス書、自己啓発書、実用書など、基本的に文章で構成されている本を紹介するはずだった。
はずだったのだが、今回マンガを紹介することにする。
いつもとは口調も違うし、紹介の仕方も違ったりするけれど、箸休め的に見ていただけると幸いである。
『かぐや様は告らせたい』
書評第12冊目に選んだのはマンガ、『かぐや様は告らせたい』である。
赤坂アカさんのマンガである。
私は説明が下手なので、詳しくはこちらをどうぞ⇒うぃき
舞台は私立秀知院学園。
かつて貴族や士族を教育する機関として創立された由緒正しい名門校である。
その学園の生徒会長「白銀御行(しろがねみゆき)」と副会長「四宮かぐや(しのみやかぐや)」たちが織り成す「恋愛頭脳戦」というラブコメディである。
私はここしばらくマンガというものを読んでいなかった。
たまたま当時付き合っていた恋人の薦めで『鬼滅の刃』を読んでいたくらいで、すっかりマンガとは離れた生活をしていた。
その日私は給料日前で、あまりお金を持っていなかった。
だけど、「なんかマンガ読みたい欲」に駆られていた。
ブックオフへ立ち寄り、前から気になっていた2冊の本を見てみようと思った。
2冊の本とは、『かぐや様は告らせたい』と、『推しの子』である。
(今、たった今知ったことだが、どちらも「赤坂アカ」のマンガであることにびっくりした)。
『かぐや様』の方は、以前ブックオフで見かけて、なんとなく表紙の絵が気になっていた。
『押しの子』は以前横槍メンゴさんのマンガ『クズの本懐』を読んでいたのでなんとなく気になっていたのだ。(○○万部! という宣伝文句にも惹かれてしまった)。
その、ふたつのマンガが気になっていたので、ブックオフへ寄ったのだ。
以前、『かぐや様』は見かけていたので、すぐに目に入った。
ところが『推しの子』は見当たらない。
残念だと思いながらも、『かぐや様』1、2巻と、西森博之さんの『鋼鉄の華っ柱』(全9巻)を買った。お財布の中はほとんど空になった。
それから一週間が経った。
私の本棚はこのようになった。
つまり、そういうことだった。
私は、どハマりしてしまった。
書評
総合評価:✩✩✩✩✩
読みやすさ:✩✩✩✩✩
ヒロインの可愛さ:✩✩✩✩✩
登場人物の魅力:✩✩✩✩✩
恋愛したくなる:✩✩✩✩✩
きゅん:✩✩✩✩✩
面白さ:✩✩✩✩✩
その世界に入れる度:✩✩✩✩✩
続きが読みたくなる:✩✩✩✩✩
新鮮さ:✩✩✩✩✩
他の作品も読みなくなる:✩✩✩✩✩
(MAX:✩✩✩✩✩)
です。
まず、読みやすさは星5。はじめ、『頭脳戦』と銘打っているので、難しい内容なのかなと思っていた。
ところが読んでみると意外にも読みやすい。
ラブコメディということで、ところどころ笑える。
読みやすいのに、しっかりと主人公が「頭がいいキャラ」であることが伝わってくる。
頭のいい二人の男女が持っている恋愛観や「作戦」なんかも見所である。
ヒロインの可愛さも星5である。
ヒロイン、「四宮かぐや」。可愛い! 可愛い過ぎる! もう、恋をしたと言ってもいい。可愛いすぎる。
ただの可愛い女子高生ではない。巨大財閥「四宮家」の令嬢ということもあって、独特な個性を持っている。
その、女の子が、恋をして、如何に「相手に告白させよう」と作戦を練り、使える手段はすべて使って行動に移し、その結果揺れ動いていくヒロインの内面がとても可愛い。
もう、ファンだ。
登場人物の魅力も星5である。
物語の世界で、登場人物の魅力が重要なのは言うまでもない。
このお話は秀知院学園の生徒会が主な舞台だ。
主人公である生徒会長「白銀御行」、副会長の「四宮かぐや」はさることながら、書記の「藤原千花(ふじわらちか)」、会計の「石上優(いしがみゆう)」、かぐやの近侍である「早坂愛(はやさかあい)」、およびその周りの人々すべてが魅力的である。
感服した。とてもよく描かれている。
お互いの人間性や性格、そして関係性なんかが見ていて面白い。
後半の方では泣いてしまった。
恋愛したくなる……、星、5!
もう、読んでいるうちに頭が「恋愛脳」になってくる。
とっても素敵な恋愛模様が見られます。
嗚呼、恋愛したい。恋愛したい、恋愛したい。只今恋人募集中だよ✩
きゅん。つまり胸がキュンしてしまうかどうがだが、これも星5である。
何度もキュンしてしまった。
登場人物たちが恋愛をして、胸をときめかせているときに、読者も同じようにときめいてしまう。
まるで学生の頃に戻ってしまったかのようだ。
面白さも抜群の星5。面白い! すべてに於いて面白い。
くすりと笑ってしまうことも、声を出して笑ってしまうこともあり、コメディとして充分楽しめる。
それだけではなくて、段々と進んでいく主テーマの進展にも目を見張るし、主人公以外の生徒会メンバーの話やそれぞれの関係性を見ることも面白い。
脱帽である。
その世界に入れる度も星5。どっぷり浸かれます。
なんていうか、この世界に入りたくてマンガを読んでいるところがある。
白銀や四宮が何を見て、何を考え、どう行動するのか、他のみんなはどうするのか、しゃべったり、ふざけたり、笑ったり、怒ったり泣いたり、そういう世界をずっと見ていたいと思う。
私は「完結している話」が好きなのだが、なんだか『かぐや様』が終わってしまうと「みんなに会えなくなってしまう」という寂しさを私は感じる。
学園ものなので、きっと終わりは来るのだろう。
どんな終わりが来るのか楽しみであるとともに、寂しさを感じてしまうのは、まるで自分が生徒会の一員であるかのような錯覚を持っているからだ。
学園生活というのは、「いずれ卒業する」という別れが内包的に存在している。
だからこそ、青春は尊いのかもしれない。
と、いうふうに私は秀知院の生徒会、あるいは秀知院の学生に、すでになってしまっている。
それだけ、この世界に浸かることが出来るのだ。
続きが読みたくなる度も星5。それは写真を見れば一目瞭然である。
続きを読みたくて、たった一週間で20巻も買ってしまった。
この感覚は好きだ。
新鮮さも星5。この作品は、2015年からスタートし、現在2021年も連載中である。
スマホやライン、SNSやYouTubeなんかもマンガの中に出てくるので「いま」を感じられる。
そういう意味での「新鮮さ」があるとともに、それぞれのキャラクターが織り成す「行動」や「思考」が新鮮だ。
そして、こんな恋愛も新鮮である。
他の作品も読みたくなる。星5。読みたい。
と、いうわけで私は後に『推しの子』を買うだろう。
いま(2021年)赤坂アカさんは『かぐや様は告らせたい』と『推しの子』を同時連載しているんだってね。天才か!
以上を踏まえて、総合評価はぶっちぎりの星5。
他の書評では総合評価+各5項目を評価していたのだが今回は異例の異例で10項目も評価した。
それも、すべて星5だった。
もう文句なしの推しマンガである。
「なんか面白いマンガない?」と彷徨っている君は明日には本屋さんで『かぐや様は告らせたい』を買っているだろう。
まとめ
運命とはきっとこういうことを言うのだろう。
日本はマンガ大国で、本屋さんに行けば「何を読んだらいいのか分からない」くらいマンガが並んでいる。
そんな中で、『かぐや様は告らせたい』に出会ったことは運命というよりほかはない。
立ち読みをしたわけでもない。誰かからおすすめされたわけでもない。
作者も知らなかった。
ただ、表紙の絵が気になった。色に引き付けられた。それだけで手にしたマンガだったのに、こんなに染まってしまった。
とてもいい作品に出会えたと思う。
続きを、早く読みたい。
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