それぞれの世界

雑文

「あ」と思った。

 レストランで働くわたし。

 たくさんのお客さんと接客する。

「あ、やっぱり」と、わたしは思った。

「わたしには無理なんじゃないかな」と、思った。

 わたしの住む世界は、きっとそうじゃない。

 そう、感じた。

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 わたしが働くイタリアンのレストランは、若い子向けというよりは、30代以降と、ファミリーが多い。

 ファミリーを見ていて、わたしは思ったのだ。

「あ、オレ、結婚できないかもしれない」

 なんとなく、そう、思った。

 わたしには結婚願望があって、子どもがほしいって思ってる。

 子ども好きではないけれど、もし自分の子どもがいたのなら、「たくさんの『この世界』のことを伝えたい」と思ってる。

 残念なことに、わたしには交際している女性はいない。

 なんとなく、気になった女の子に声をかけてみたり、

 マッチングアプリに登録してみたり、結婚相談所に相談してみたりしたけれど、いまだにわたしはひとりだ。

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 先日、わたしが感じたことは、「世界が違う」んじゃないかってこと。

 世界が違う。

 なんかこう、一般的な世界と、わたしの生きる世界は、なんか違うような気がした。

 この意味がわかるだろうか。

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 わたしは、小さいころから、「変わってる」とは言われてきたし、自覚もしている。

 自意識過剰な部分も、否めない。

「普通」ということの定義は難しいけれど、わたしは「普通」じゃない。

 この世界を見ていて、「なんでみんなそんな『普通』でいられるんだろう」って不思議に思っている。

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 もちろん、いろいろな人がいるので、「変な人」も、「個性的な人も」知っている。

 不思議なことだが、わたしは、「普通の人」と友だちにはなれない上に、「個性的な人たち」とも、友だちにはなれない。

 基本、「ひとり」なのだ。

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 だけどそれは、「一匹狼」というのとは違っていて、

 こう、「群れから追い出されたやつ」的な存在だと思う。

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「相手にされない」ということが多い。

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 孤独を感じることは多いけど、たぶんわたしは「ひとり」のほうが好きだ。

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 ん?

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 ちょっと本題から外れた。

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 今日、言いたかったことは、「世界」の話だ。

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 この世界は、「ひとつ」だけど、

 実は、そこに生きるものひとりひとり、まったく別の「世界」に生きているんじゃないかっていうなんだか哲学的な気づきについて言いたかったのだ。

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 先日、Twitterで、(いまは「X」?)

「わたしの父の認識ではニュージーランドの位置が現実とは違うらしい」というような話をした。

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 こういった現象は、世界に多々あるらしく、

 ミッキーマウスの着ている服なり、キットカットのパッケージなり、『メリーさんの羊』の記憶だったり、「世界とのズレ」を感じている人は多いらしい。

 そういった現象を、「なんたら」というらしいけど忘れちゃいましたごめんなさい。

 父からその話を聞いたとき、(まあ父はわたし以上に変わり者なので、適当に受け流し、世界線をテーマにしたアニメ『シュタインズゲート』をおすすめしておいた)

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 うーん、うまく言えないな。

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 要はなんだろ、「あ、オレ、この先結婚なんかできないだろうな。子どもなんてできないんだろうな」って確信に近い何かを感じ取ったことだ。

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 一生独身でいて、子孫を残さないことは生物学的には「敗者」である。

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 でもまあ、人間の社会は変に寛容であったりするので、そういうわたしも「生きていていいんだよ」みたいな空気もある。

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 だからそう、悲観的にとらえているわけではないのだけれども、

 なんだか不思議だな、と思ったりする。

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 運命の人、という言葉がある。

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 恋愛対象、あるいは人生のパートナーとしての異性という意味であるが、

 わたしが背負った運命では、その人は現れないような気がした。

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 すごく変な話をするけれど、

 わたしには、「モテる時期」と「まったくモテない時期」がある。

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 モテる時期は、とてもモテる。

 ほんとうに。

 なんかわからんが、ランキングを勝手につけられて、その上位になったり、1位をキープしていたり、連絡先を交換したり、「指名」されたり、呼ばれたり、遊んだり、体の関係を持ったり、まあいろいろある。

 だけど、モテない時期はまったくモテない。

 いまがそれだ。

 ほとんどの人から、ほとんどの異性から、わたしはまったく「相手にされていない」のである。

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 もうなんか、まったく世界が違う。

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 これ、名前の画数とか関係あるのかななんて、占い的なことも考えてしまったりする。

(わたしは諸事情で人生の中で苗字が二回変わってる)

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 先日のこと、実の妹と電話した。10年ぶりくらいだ。

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 妹は、まったく別の人生を歩んでいる人となっていた。

 一緒に育ったきょうだいだけど、もうたぶん、一緒の空気は吸えないだろう。

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 兄もそうである。

 わたしと、兄とは馬が合わない。

 もう20年以上かかわりを持っていないのではないだろうか。

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 同じ家庭で育ったのに、こうも違う人間になったという事実は不思議である。

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 なんか、「冗長」な文章になりそうだ。

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 言いたいこと、伝わっただろうか。

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 世界って、ひとつじゃないってこと。

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 こう、主観と客観とか、えーと、デカルトだっけかな?

「我思う故に我あり」みたいな概念とか、

 そういった哲学的な話になってしまうのだけれども、

「まあなんか不思議な世の中の、不思議な感覚だよな」っていう単純な感想。

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 ずーっとわたしは「恋人」とか「結婚相手」を探していたけれど、なんかもう「いいかな」って思いはじめてきた。

「結婚」というものそのものも法律の上での「制度」のことだし、

「家庭」というものも、あるいみ「制度上」のことだ。

 わたしの人生は、「制度」とは次元が違う世界で作られているのかもしれない。

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 だれかと結婚すれば、相手は「ひとり」しかいないが、(日本の法律では)

 結婚しなければ、世界中の半数の女性すべてがわたしの愛人候補になれるのだ。

(すげーな。そんなハーレム無理だけど笑)

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 わたしはどちらかというと、日本の制度なんてしょせん制度だと思っているし、

 生物学的観点から見たら、一夫一婦制なんて不合理だって思ってる。

 男は愛人をばんばん作ればいいし、女は子どもを産んで社会で育てればいいって思っている人間だ。

(ああ、だからオレは結婚なんてできないんだろうな)

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 なんか、肩の荷が下りた気がする。

 すこし、焦っていたのかもしれない。

 もうすぐ40なので、結婚について、焦っていたのだ。

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 でももうそれはいいや。

 自由に生きていくことにするよ。

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 ああ、楽だ。

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 じゃ、また。

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