進路に迷ったら

雑文

 進路に迷ったらどうするか。

 その答えは「自分のやりたいことをやろう」です。

 このブログは目標に向かってがんばっているけど報われない可哀想な30代の独身男性向けに書いているものですが、今日は学生さん向けに書きます。

 理由は特にありません。なんとなくです。

 自分を振り返ってみて、進路、とても悩みました。

 中学3年生の頃、高校をどうするか。

 そのころはあまり未来を想像することができませんでした。

 特にやりたいこともなかった。

 漫画を描いていたけれど、漫画の専門学校なんてないし、どこかの高校に行くのだとぼんやり考えていた。

 受験勉強が怖かったので、推薦で入れる高校を選んだ。

 幼馴染がその高校に行くという理由で、その高校に決めた。

 でもそれは、高校に入ったあとに、とても後悔することになる。

 特に苦労もなく推薦入学で高校に進学した私は入学式を終えた直後に愕然とした。

 女の子が居ない

 40人くらいのクラスだった。そのうち、女子は1人も居なかった。

 右を見ても、左を見ても、後ろを見ても、もちろん前を見ても、男しか居なかった。

「ちょっと待て!」と思った。

 俺の高校ライフはどうなる!?

 女子高生とお話できるのは高校生活だけなのに、女子がまったく居ないとはどういうことだ。

 入学したその日に、もう学校を変えたいと真剣に思った。

 転校できないかどうか真剣に悩んだが、学費は払っているし、教科書も制服もお金がかかった。

 母子家庭である私の家にそんなお金はない。

 そもそも奇跡的に奨学生になれたのだ。それを今更「学校を変えたい」なんて言えない。

 世の中には取り返しのつかないことがあると、15歳の私は知った。

 仕方がなかったので、勉強と部活に励むことにした。

 本当、高校進学はやり直したいといまでも思う。

 青春は一度しかない。女子高生とおしゃべりできるのも限られた期間だけだ。

 いま中学生の男子、そのことを肝に銘じるように!

 そして高校生活が終わりを迎えるころ、再び進路を選ぶ時期がきた。

 私は、とにかく家を出たかった。

 なので、県外の大学に進むことにした。

 ビビリだった私は、また、受験勉強から逃げて、推薦で入れる大学を選んだ。

 主に心理学を学ぶところである。

 心理学を選んだのはそのころ私は小説を書きたかったので、人間について学びたかったのだ。

 学校の成績だけは良かったので、難なく推薦で大学に入学することができた。

 正直に言って、あまり有名な大学ではない。

 そのことが後に、私の人生を決定づけることになる。

 大学生。まわりには女の子が沢山居た。

 ようやく自分にも春の訪れがきたと感じていた。

 失われた青春を取り戻したかった私は積極的にサークルに入った。

 テニスサークルである。

 サークル活動はとても楽しかった。

 高校の頃のようにきつい練習をしなくていいし、純粋に遊びでテニスをすることができた。

 好きな女の子とダブルスを組むこともできた。

 忘れもしない夏合宿。

「一緒に組もう」と言われ、私は舞い上がっていた。

 もしかしたら俺のこと好きなんじゃねーのと思っていた。

 楽しく試合をすることができた。

 その夜。

 大学生サークルらしく、飲み会が行なわれた。

 18歳だが、まあそこはあれである。

 しばらくして、気になっている女の子が席を外した。

 トイレかなと思ったけれど、なかなか帰ってこないので心配した。

 様子を見にいった。

 トイレにはいないようだった。

 どうしたのだろうと思っていると、部屋から声が聞こえてきた。

 ゆっくりと、襖を開ける。

 すると、二人の男女のシルエットが浮かんだ。

 心臓が縮み上がる思いをした。

 いまでも覚えている。

「あん、あん、あん」と聞き慣れた声が聞こえていた。

 なんということか、サークルの飲み会の真っ最中に二人で抜け出してみんなが寝る部屋で堂々とセックスをしていたのである。

 アキラだった。

 チャラいことは知っていたが、まさかこんなことになるなんて思ってもみなかった。

 それも、俺の大好きな○○ちゃんと、である。

 私の恋はそこで終わった。

 その後、気分が悪くなり、私はトイレの洗面器を抱いて少しの眠りに落ちていた。

 横道に逸れてしまった。

 失った青春、女の子。

 私はなんとしても10代のうちに童貞を卒業したかったし、彼女というものが欲しかった。

 やはり高校はちゃんと選ぶべきだったとそのころになっても思っていた。

 転機が訪れたのは大学1年の夏を過ぎたあたりである。

 私は寮生活をしていた。

 そこに、ギターを弾く先輩が居たのだ。

 私と仲が良い友人がその先輩の部屋にちょくちょく遊びに行っていたので私もそれに混じっていた。

 とても先輩がかっこよく見えた。

 そして、先輩に誘われる形で、私はギターを買ったのだ。

 18歳にして音楽に目覚めたのである。

 大学生活、サークル活動、アルバイト、そしてバンド活動。

 それらをすべてこなすのは難しかった。

 仕送りはもちろんなかったので、アルバイトをしないわけにはいかなかった。

 あれこれ考えた末に、私は大学を中退することにした。

 ミュージシャンになるのだから、学歴なんていらねー、と思っていたのである。

 そのことが後に深い痛手となる。

 それから約10年以上、私はバンド活動をしていた。

 一時、インディーズレーベルに所属のバンドに加入することになったが、突然音信不通となってしまった。

 けれど私は諦めなかった。

 いつかメジャーになってやると意気込んでいた。

 自分には才能があると思っていたし、いずれ努力は実を結ぶものだと信じていた。

 この、長い長い下積み時代を私は後悔していない。

 音楽の道に進もうとしたことも後悔はしていない。

 沢山のバンドメンバーと出会って別れて、結成しては解散を繰り返して、結局ひとりぼっちになってしまったけれど、まったく後悔はしていない。

 結局のところ、私はミュージシャンにはなれなかった。

 気が付けば30後半になっていた。

 私を音楽の道に進めた先輩は大学時代に彼女を妊娠させてしまい、けじめを取るかたちで中退した。

 友人知人がぞくぞくと結婚していった。

 定職についていないのは私くらいである。

 仕事を探す上で、学歴というものがとても重要であることを知る事になる。

 まず、有名大学であるかどうかだが、それよりも致命的だったのは高卒か大卒かによって給料がまったく違っていたのだ。

 年収にして100万近い差が生まれる。

 私は、せめて大学を卒業するべきだったといまでは思う。

 これはとても重要なことで、大人になってから学校に行きたくても、なかなかそれは難しいのだ。

 なので、高校生のみんなは進路をちゃんと考えて欲しい。

 あとになってからでは、取り返しのつかないことってあるのだ。

 さて、冒頭で述べた進路に対する問い、

 私は「自分のやりたいことをやろう」と言った。

 私は、結果にはならなかったけれど、自分のやりたいことをやってきたと思う。

 やってみなければ分からないのである。

 自分の力量も、社会というものも。

 若いうちから、「私にはムリだ」とか、「できっこない」なんて思わないで欲しい。

 とにかく、やる。それだけだ。

 あとはがむしゃらに突き進んで欲しい。

 もちろんその夢が叶う保証はない。

 でも、やらないで後悔するより、やってみて失敗するほうが人生の糧になりえる。

 もし、自分のやりたいことが分からない人はどうするのか。

 まずは得意分野の道に進んだらいいと思う。

 得意な科目や好きな科目から、学部、学科を選ぶといい。

 できれば、名の知れた大学に進むのがおすすめだ。

 あとでその効果が生きてくる。

 できることなら大学でも高校でも、中退はしないほうがいい。

 履歴書に響くよ。

 もちろん、中退しても、ちゃんと仕事について、幸せな生活を送っている人はいる。

 そういう人は、それでいい。

 大切なことは、自分のやりたいことを人生でやっていくことだ。

 当たり前の言葉かもしれないけれど、人生は一度しかない。

 人は年をとる。

 おじさん、おばさんになってから後悔しても遅い。

 少しでも、やりたいことがあるのなら、それがたとえ大きすぎる夢だとしても、やってみるといい。

 やることによって学んでいくことが、その道にはある。

 長々とした文章を読んでくれてありがとう。

 応援している。

 どうでもいい話だが、

 いまの私は童貞ではない

 

 

 

 

 

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