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幸福の科学との訣別

書評#22はあの大川隆法の息子である宏洋(ひろし)さんの『幸福の科学との訣別』です。
どんな内容かというと、あの有名な宗教団体『幸福の科学』を家庭から見た見解といったものです。
総裁(?)の大川隆法がどういう人物であったとか、幸福の科学という宗教団体がどういう団体であったのか、そういうことに触れています。
幸福の科学について
幸福の科学は1986年に大川隆法が設立した宗教団体で、信者数は数万から数十万いると推定されている。
たしか「幸福の実現党」という政党も持っている団体だ。
私は宗教について興味があるので、その流れで『太陽の法』などを読んだ。
大川隆法が記した本の内容を読んだ感想は「この人めっちゃ頭いいな!」であった。(東京大学卒というだけのことはある)
言っていることには一応のところ「筋」が通っていて、わからなくもない内容であった。
大乗仏教を元にしているが幸福の科学ではエル・カンターレという「凄い神」がいて、それが大川隆法だというところが問題だと思う。
宏洋さんが書いた『幸福の科学との訣別』の中では、大川隆法がどういう人間かということが詳細に書かれている。
そう、「人間」なのだ。
エル・カンターレでも、最高神でもなんでもなく、ただのエゴを極めた俗物である人間であったということが書かれているのだ。
そういう点では、面白い内容だったと思う。
宗教について
日本人は特に宗教について不信感を持っていると思う。
それは先のオウム真理教などのテロ事件があったためで、「新興宗教=怪しい」という図式が整っている。
私としては「宗教」に寛容である。
ただ、宗教の在り方に問題があって、偏見に満ちているところが問題であって、宗教そのものにはなんの罪もないと私は思っている。
幸福の科学はもちろん宗教なのだが、信者が何を信じているのかは分からない。
おそらく幸福の科学の創始者の息子であり、幹部でもあった宏洋さんはエル・カンターレなどまったく信じてないだろう。
偏屈を極めたお父さんであった。というのが宏洋さんの見たエル・カンターレだったと思う。
そういう視点で見ると、新興宗教の荒さが目立つ。
私としては新しい宗教を望んでいるけれど、それはきっと『幸福の科学』ではないだろう。
まとめ
『幸福の科学との訣別』はすべて宏洋さんの視点と見解で述べられている。
怪しい(別に「幸福の科学」が怪しいと言っている意味ではないが)新興宗教にハマってしまっている人には是非読んで欲しい内容だった。
また読みたいかと言われると、「たぶん読まないだろう」が答え。
『幸福の科学』という宗教団体を内部の、コアなところから見たら「こういうことだったよ」ということが分かった。
宏洋さんは(私は見ていないけれど)最近ではYouTubeなどで活動しているという。
いっそのこと新しい宗教を作ってくれればいいなと思うのはおそらく私だけだろう。
今後も頑張ってほしい。
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