書評#25『風の歌を聴け』

書評

総合評価:☆☆☆☆
面白さ:☆☆☆
文体:☆☆☆☆☆
また読みたい:☆☆☆☆☆
文学的価値:???

風の歌を聴け

 書評第25作品目は村上春樹さんのデビュー作『風の歌を聴け』です。

 私はこの作品を何度も読んでいます。英語版も持っていてそれにも目を通しました。

 小説の冒頭

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

 というところが好き。

 村上春樹さんの世界観ってなんだろうって考えたときに、いつもこの言葉を思い出します。

 ちなみに英語版だとこうなります。

“There’s no such thing as perfect writing.Just like there’s no such thing as perfect despair.”

 物語が面白いというよりは、世界観や文体が面白い。

 主人公はほとんどビールを飲んで女の子と寝ているだけなのだが、読んでいる本や聞いている音楽や世界の捉え方から察するにけっこう知的であることがわかる。

 そして、村上春樹さんの他の作品同様、登場人物が「ちょっと変な人」なのだ。

 この作品は単体でも面白いが、そのあとの『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』そして『ダンス・ダンス・ダンス』へと続くので全部読んでみるとより楽しめるはずだ。

あらすじ

 劇的なストーリーは特にない。

 主人公の僕が友人の鼠と一緒にジェイズバーでビールを飲んだり、女の子と知り合って寝たり、寝なかったり、あるいは「今まで寝た女の子」について思い出してみたり、ただそれだけのお話。

 主人公の「僕」の日常(70年代の日本の日常)を切り取って描いてみたといったような印象を受ける。

感想

 この本を読むとほっこりします。

 なんか生きていると人生いろいろと問題があったり嫌なことというのはあるのですが、「まあそんなことは置いておいてビールでも飲んで女の子と寝よう」という気持ちにさせてくれる。

 文学とはなんだろうとよく私は考えるのですが、小説『風の歌を聴け』は「文学だなー」「文学っぽいなー」と思わせてくれます。

 エンターテイメント性があるとか、感動するとか、目から鱗が落ちるとかそういうことではなくて、この本を読む前と、読んだ後では世界の見え方捉え方が「ちょっとだけ変わっている」といったような感じです。

 村上春樹さんの世界観や文体が好きなのでまた読むことになると思います。

 できれば英語版をストレートに読めるようになりたいですね。

まとめ

 というわけで今日は村上春樹さんのデビュー作『風の歌を聴け』を紹介させていただきました。

 また気が向いたら『1973年のピンボール』なども読み直してみようと思います。

 

 


 

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