書評#6『会って、話すこと。』

書評

はじめに

 私はあまり頭がよくありません。

 特に記憶力に自信がなくて、すぐに物事を忘れてしまいます。

 読書にもそれは言えることで、読んでもすぐに忘れてしまいます。

 難しい本は、理解できません。

 それでも本を読むことは好きですし、これからも読んでいきたいと思っています。

 そこで私は書評を書くことにしました。

 私が実際読んでみて、「これはいいよ」とか「これはいまいちだった」というような感想を発信していきたいと思います。

 何かの参考になれば幸いです。

『会って、話すこと。』

 書評、第6冊目は田中泰延(たなかひろのぶ)さんの著書、『会って、話すこと。』です。

 前著が書くことをテーマにした『読みたいことを、書けばいい。』に対して、今回は話すこと、それも会って話すことをテーマにした会話術の本です。

 田中泰延さんはコピーライターです。

 詳しくはウィキペディアに載っているので、そちらをご覧になってください。

 私がこの本を読もうと思ったきっかけはTwitterです。

 田中泰延さんが固定ページで「上梓しました」と書いてありました。

 私は田中泰延さんのファンではありませんが、前著の『読みたいことを、書けばいい。』が面白かったので、『会って、話すこと。』も読みたいなと思っていたのです。

 お給料日を待って、この本を購入しました。

 率直な感想を述べると、「ひろのぶさんらしいな」です。

 私は田中泰延さんの友人でもなんでもないので「らしいな」というのはちょっと変かもしれませんが、Twitterを覗いていて、なんとなくの印象は持っています。

 ひろのぶさんのツイートは面白い!

 ときどき何が言いたいのか分からないこともありますが、ときどき笑ったりします。

 そして、ちょっと変わっています。

 なので、この本も会話術の本とありますが、他の会話術とは違ったものになっています。

 冒頭に「日常の会話の中でツッコミはいらない」というようなことが書いてあります。

 私はそのことに衝撃を受けました。

 誰かがボケたらそれを汲み取ってすかさずツッコミを入れなければいけないと思っていました。

「○○か!」とか、「何言ってんの!」とか、「違うよ!」とか、「なんでやねん」とか、言ってあげなければ、ボケがボケとして成立しなくて笑いは生まれないと思っていました。

 しかし田中さんは「それはおおきな間違いなのである」と言っています。

 むしろちょっと怒っているようでもありました。

 ボケとツッコミに関して書いてしまうと長くなってしまうので、というか、本に書いてありますので読んでみてください。

 大切だなと思ったのはタイトルにあるとおり「会って、話すこと。」なのだなと感じました。

 いま現在、(2021年)世界的に新型コロナウイルスの感染症が猛威を振るっています。

 そのため、社会は大きく変わりました。

 人と人が以前より会って話すことが難しくなってしまいました。

 家のパソコンでリモートワークされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 こんな時代だからこそ、著者の田中泰延さんは「会って、話すこと。」の意義を伝えようとしています。

 本文の中で、ところどころに編集者の今野良介さんとの対談が盛り込まれています。

 半分漫才のような対談でした。

 あるいは、あまりにも二人の世界に入られているので読んでいる方は置いてけぼりをくらってしまうようでもありました。

 この本は、会話のテクニックを紹介している本ではありません。

 いくつかは、「こういう風に話したらいいよ」というものはありましたが、「傾聴しよう」とか、「オーバーリアクションをとれ」とか、「適度なタイミングで相槌を打とう」といったような小手先の技術ではなくて、人が会話をする上での「スタンス」を述べているのではないかと感じました。

 長々と感想を書いてしまうと読む方も疲れてしまうと思うのでここらへんで切り上げます。

書評

 総合評価:✩✩✩
 読みやすさ:✩✩✩✩✩
 新鮮さ:✩✩✩✩
 記憶に残る度:✩✩
 会話がうまくなる:✩✩
 レア度:✩✩✩✩
 (MAX:✩✩✩✩✩)

 読みやすさは抜群の星5です。とても読みやすい。難しいことは書いていないし、行間も狭くない。とてもリラックスした気持ちで読めます。

 新鮮さは星4。私もいくつか会話術の本を読んだ経験があります。その様々な会話術の本とはまた違ったエッセンスが盛り込まれています。新鮮でした。

 記憶に残る度は星2つ。これはただ単に私の記憶力のなさに起因するものですが、パタンと本を閉じて読み返さずに思い出されることは2つだけです。

 ひとつは「日常会話でツッコミはいらない」ということ。

 もうひとつは「好きな人には『好き』って言葉を使わない」です。

 これは活かせると思いました。

 突っ込まなくてもいいというのはとても気持ちが楽になりました。もうこれからは誰かがボケてもツッコミません。

 好きな人がいると、どうしても「好きです」と言いたくなる。それが原因なのか、私には恋人がいません。

 うまくいったこともあるけれど、うまくいかなかったことの方が多いです。

 これから恋人を作るためにも、このスタンスは持っておきたいです。

 会話がうまくなる度は星2つ。会話術の本なのに、「会話がうまくならない」ってどういうこと? と思われるかもしれません。

 これはただの私の見解ですが、「なんか、いいかな。別に上手くなくても、楽しめれば」と思うようになりました。

 本の中で、いくつか「会話において苦しんでいる人」があげられています。

 私も苦しんでいたのかもしれません。

 でも、この本を読んでみて、少し気が楽になりました。

「自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない」と、あります。

 変に、「知ってもらおう」とか、「把握しなければ」とか構える必要はないのだなと思いました。

 うまくなる必要もないのだなと思えるようになりました。

 なので、会話がうまくなる度は星2つです。

 レア度ですが、星4です。この本、手にするのにちょっと苦労しました。

 いつも行く本屋さんに売っていなくて、注文しようとしたら出版社にも在庫がないそうです。

 重版の予定もないようなので、いま市場に出ているものを買う他なかったのです。

 私は本屋めぐりをしました。

 割と大きめの書店にも行ったのですが、同じようになく、諦め半分で駅の中にある小さな本屋さんに行ったら一冊だけ置いてありました。

 なので、この本はもしかしたらとてもレアな物なのかもしれません。

 手にすることができてラッキーだなと思いました。

 以上を踏まえて、総合評価は星3です。

 星4にしようか迷いました。

 純粋に面白い本でした。読んで良かったです。

 星ひとつの違いは何なのかというと、少し贔屓目があるかなと思ってしまったからです。

 Twitterで田中泰延さんを私はフォローしているし、田中泰延さんも私をフォローしてくれている。

 FFさんは大切にしたいし、応援したい。

 なので少々贔屓している部分もあると思ったので厳しめの評価にしました。

 参考になったでしょうか。

まとめ

 『会って、話すこと。』人生が変わるシンプルな会話術。

 大変面白く読むことができました。

 本そのものだけではなくて、Twitterで見る様々な方々のご意見や感想、「VOOX」というアプリで聞いた田中泰延さんのお話、そういうものを全部含めて楽しんで読むことができました。

 会話に苦手意識を持っている方、会話をもっと楽しみたい方、普段からツッコミを入れなければと身構えている方、読んでみてはいかがでしょうか。

 「会って、話すこと。」という表紙のタイトルをいまじっと眺めて見ました。

 最近私はTwitterでFFさんたちとよく絡んでいます。

 毎日100人以上の人たちに「おはよう」とか「おつかれ」とか「おやすみ」とか言い回っています。

 こんなに挨拶をしているのなんて学生時代にいやいややらされた「挨拶運動」以来です。

 ネットでの絡みなので、顔も知らなければ雰囲気も知りません。

 それでもやりとりが楽しいので飽きずにやっています。

 この本を読んだあと、普段やりとりを交わしている人たちとちゃんと対面して会話をしたいなと思いました。

 「会って、話すこと」、「会話」です。

 そういえば最近じっくりと誰かとおしゃべりをしてないな。

 コロナが収束したら、たくさんの人と会って、お話をしたいと思います。

 なんだか書評なのか単なる私見なのかよく分からなくなってしまいました。

 ここまで読んでくれてありがとうございます。

 そういえば今度、ひろのぶさんがYouTubeで何かやらかすようですよ。

(2021年12月01日現在)

 

 

 

 

 

 

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