ダ・ヴィンチの罠#4『サイン』後編

父ブログ翻訳

はじめに

 わたしの父は現在ブログを書いています。

 レオナルド・ダ・ヴィンチの「罠」に迫るという複雑で難解な問題に挑戦しています。

 非常に難しい内容であり、そのためか、ブログの文章も難しい内容になっています。

 その内容をわたし自身が「ちゃんと理解したい」ということもありますが、「せっかく面白い内容なのにそれが伝わらないのはもったいない」という理由でわたくし、りょうきちこと勝馬将太はそのブログを「翻訳」してみることにしました。

 今回はその第4弾です。(の後半です)。

 もし少しでも興味がありましたが、ちょっと覗いてみてくださいね。

 それでは、始めます。

 こちら↓がその、透明人間さんのひとり、父のブログの原文です。

ダ・ヴィンチの罠 サイン - 透明人間たちのひとりごと
あの盛期ルネサンスという特異な時代の寵児であるにもかかわらず・・・一万点を優に超える素描を残しながらも、完成作品がわずか...

 それでは、ここからが勝馬の訳です。

 よろしくお願いします。

前回までのあらすじ

 レオナルド・ダ・ヴィンチの、『最後の晩餐』の絵の中に「違和感」があった。

 透明人間のひとりは足を止め、じっとその絵を見ていた。

『最後の晩餐』そして、ダ・ヴィンチの残した数々の作品、素描。

 時間、空間、連続性、数学と、幾何学。

 そこに、天才レオナルド・ダ・ヴィンチが残したであろう「罠」があるような気がした。

『岩窟の聖母』そして、『受胎告知』

 透明人間2号は振り返った。

「まてよ」「これは」「もしかしたら」

 そうしてまた次の「扉」を開けた。

勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#4『サイン』後編1

 まずはこの絵を見ていただきたい。

 レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた、『東方三博士の礼拝』である。

「東方三博士の礼拝」とは、キリスト教における「イエス」の誕生の主題の名前であり、

「マギの礼拝」「三王礼拝」とも呼ばれる。

 なお、この作品はダ・ヴィンチにおいての初期の「未完成作品」である。

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 それでは、本題に入っていこう。

 こちらの、右側の青年。

 こちらは美術史では「青年期のダ・ヴィンチ自身を描いたものである」とされています。

 問題なのは、その(青年)ダ・ヴィンチがマギ、つまり三博士、つまり人知を超えた3人の王から目を背けていることです。

※なお、英語のmagic(魔法)の語源はここからきています。

※マンガのマギはたしかシンドバッドみたいな話でしたね(余談ですが)

 次に、こちら、

 この老人、

 顎に手をあてて、何かを考えているような老人。

ー------------

 この老人はもしかしたら「年老いたダ・ヴィンチ自身」なのではないか、と、わたしは考えました。

 そして、

 指を立てている人がいます。

※画像が鮮明でないためわかりづらくてすみません。

 これは、

 ここにも、

 ここにも、

 ここにもいた仕草です。

 共通項。

 と、いうことは、「つながりがある」ということ。

『東方三博士』は、ダ・ヴィンチの初期の作品です。

 でも、その17年後に現れた『最後の晩餐』でも、この手がある。

 と、いうことは、この『東方三博士の礼拝』がそもそも、この『最後の晩餐』のプロローグではなかったのだろうか。

 と、わたしは考えるのです。

 画像がちょっとわかりづらいので、修復版を見てみましょう。

 人物を見ると、一般的にはこうなっています。

 と、いろいろと登場人物はあるわけですが、ざっと先ほどの共通項からみちびきだした答えはこうです。

 言葉にすると、

 謎の老人が、バルトロマイになり、
 天を指す謎の人物が、小ヤコブになり、
 メルキオール(青年)が、アンデレになり、
 バルタザール(壮年)またはガスパールがユダ。

 そして、

 乳香のふたを持つ養父ヨセフが、ペテロになり、
 聖母マリアが使徒ヨハネになる。

 そして、

 乳児のイエスはそのままイエスになり、

 木の陰から天を指すヨハネは、顔と手だけのトマスになる。

 あとは、額に手をかざす人物は大ヤコブになり、

 ガスパール(老人)またはバルタザールはフィリポになる。

 そして、青年のダ・ヴィンチはマタイ、

 と、なるわけです。

勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#4『サイン』後編2

 すこし難しい話になってしまいましたね。

 要するに、言いたいことは、初期の未完成作品である『東方三博士の礼拝』がそもそも、『最後の晩餐』と関係することであって、

『最後の晩餐』から『東方三博士の礼拝』を見ると、その関係性や共通項が見えてくるのではないか、ということです。

 補足ですが、

 素描の段階ではラクダが描かれています。

 東方の世界ではラクダは恵の神とされていますが、キリスト教ではサタン(悪魔)とされています。

ー-------------

 そう思うと、謎の多い作品だと思いませんか?

まとめ

 以上、原文の『ダ・ヴィンチの罠、サイン』を訳してみました。

 原文↓

ダ・ヴィンチの罠 サイン - 透明人間たちのひとりごと
あの盛期ルネサンスという特異な時代の寵児であるにもかかわらず・・・一万点を優に超える素描を残しながらも、完成作品がわずか...

 カットした部分もあるので全部を翻訳してみたわけではありませんが、「趣旨」は伝えられたかな、と、思います。

 どうでしょうか?

 小さなことでもいいので、感想やコメントをいただけると作者および翻訳者の勝馬としてはうれしいです。

 気軽に送ってくださいね。

 次回は前回少し触れた『受胎告知』のお話ですが、

 果たして書けるでしょうか。

 応援よろしくお願いしますね☆

 ではでは。

コメント

  1. えー、父です。またの名を〝透明人間2号〟と称していますが、透明人間たちも、また、私自身の分身であり、彼らと私は「ひとりごと」をつぶやいています。

    読み進めてほどなく、「やられた」と感じた。いや、「なるほど」と思ったのかもしれない。

    つまり、ダ・ヴィンチと目される青年が三博士から目を背けているという表現が、それであるが、謎の案内や紹介もわかりやすい。

    『東方三博士の礼拝』が『最後の晩餐』における人物の配置につながるくだりや画像はなかなか良かったといえるでしょう。

    次回の『受胎告知』の翻訳が楽しみですね!

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