はじめに
この「翻訳」記事も#5まで来ました。
初見の方は「???」と思われるので、簡単に説明します。
わたしの父は現在ブログを書いています。
面白い題材なのに、内容が難しいせいか、文章も難解で伝わりづらい。
そこで、わたくしりょうきちこと勝馬将太がそのブログを「翻訳」しているわけであります。
内容は「レオナルド・ダ・ヴィンチの罠」に迫るというものです。
もし少しでもご興味がありましたら、ちょっと覗いてみてください。
不思議な迷宮へと、あなたをいざないます。
それでは第5弾、いきましょう(^^)/
こちら↓がその、透明人間さんのひとり、父のブログの原文です。
それではここからが、勝馬の訳です。
かなり変えているので、原文と比べてみると、面白いかもしれません。
よろしくお願いします。
前回までのあらすじ
ダ・ヴィンチの絵の「違和感」に気づいた透明人間たち。
2号は顎に手をあててじっと絵画を見つめる。
『最後の晩餐』『岩窟の聖母』『受胎告知』
わずかながらであるが、その謎のベールをはぎ取っていった。
『東方三博士の礼拝』では、『最後の晩餐』とのつながりを見出し、何か手ごたえを感じるものがあった。
しかしきっとそれはまだ序盤の序盤なのであろう。
首を振る。
難解な謎である。
透明人間2号はまた来た道を戻った。
そしてまた、『受胎告知』を見て、そっと空間に手を伸ばしたのであった。
勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#5『謎の肢(あし)』前置き
ずいぶん前に、「悪魔」という名前をわが子につけようとして、問題になる事件がありました。
簡単にいうと、親が、マンガの「悪魔くん」が好きで、それを自分の子どもにつけようとしていたのです。
「悪魔くん」というマンガ自体はおもしろいし、たしか十二使徒の妖怪やらなにやらを使って(召喚して)悪い奴を倒すような内容だったと思います。
わたしも子どもの時分に見ていて、「エロイムエッサイム」という呪文を覚えています。
たしかラーメンが好きなやつがいた。(↑シルクハットのあいつ)
いまちょっと調べてみると、主人公の「悪魔くん」というのはあだ名で、本名は「松下一郎」らしい。(知らなかった)。
「一郎」だったら全然問題なかったのだが、「悪魔」という名前にしようとしていたところが問題なのである。
原作が水木しげるなので、妖怪が出てくるのですが、キリスト教的な要素もあり、「背景」やら「設定」やらがやけに複雑で深い作品です。(いま知った)。
さて、前置きが長くなってしまいましたね。
本題に進みましょう。
勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#5『謎の肢(あし)』1-マリア様-
さて、突然ですが、このお方が、「悪魔」だと言ったら、あなたは信じますか?
彼女はイエスキリストの母、「聖母マリア」様です。
ダ・ヴィンチの『受胎告知』の絵の中でいうと、この人です。
聖母マリア様が、悪魔だなんて、到底信じられないですよね。
ー----------------
レオナルド・ダ・ヴィンチが生きていた時代。
中世ヨーロッパ。
現代ではルネサンス期とも呼ばれています。
ー-------------
ダ・ヴィンチが生まれたのが1452年なので、キリストが生まれてからそれくらい経った時代なのです。
時代背景として、世間では「マリア様信仰」が横行していました。
キリスト教を信じているはずなのに、マリア様を信仰している。
マリア様のロザリオなんかが爆売れしている様なんて、なんだか現代に通じるものさえ感じます(勝馬は)。
「キリスト教」というからには、本来ならば「救世主イエス」に信仰を寄せるはずなのに、この有様はなんだ、と、ダ・ヴィンチが思っていたのかどうかはわかりませんが、教会からの依頼の絵画に「何らかの意図」があるのを感じないわけにはいきません。
補足ですが、『聖書』には母マリアは「信仰の対象」となるような記述は一切なく、ただの「母親」でしかありません。
ただの、という観点からしてみれば、イエスの父と母は、ただの大工とその奥さんでしかないのです。
かといって、ダ・ヴィンチが教会に対して、「それはおかしい」「真実をわたしは描きたい」と言えるはずがなかったのです。
教会は、ダ・ヴィンチにとって大のお得意様であるし、それに、「疑い」をかけられれば最悪宗教裁判になって、処刑されてしまうからです。
しかし、前回でも書きましたが、ダ・ヴィンチ自身は、「神」のことを信じていたようです。
おそらく煩悶したのでしょう。
そこで打って出た手は、「秘密裡」に動くことです。
表向きは教会の依頼に応え、しかしその実は「絵画」の中に「秘密」を忍ばせている。
そういう方法をとったのです。
勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#5『謎の肢(あし)』2-謎の肢-
秘密裡に動くといっても、まだ血気盛んだった若かりしころは、ダ・ヴィンチもその想いを隠し切れていなかったのかもしれません。
それが如実に表れているのが、デビュー作『受胎告知』です。
よく見てください。
台の足に、何か見えませんか?
そしてこの表情。
ガブリエルの「何かを射抜くような視線」と、
マリアの「な、なによその目」は、と言わんばかりの表情。
彼女は14歳です。
いきなり天使が現れて、「あなたのおなかには赤ちゃんがいます」と、言われれば、普通もっと驚くでしょう。
もちろんそれを描けばたたの「マンガ」になってしまいますが、
この表情があまりにも不思議と感じるのはわたしだけでしょうか。
さて、もう一度見てみましょう。
足、肢(あし)。
なんだかまるで、悪魔の爪のようではないですか?
前回の『サイン』では、マリアの二の腕が異様に長いと書きました。
(※勝馬訳では略しているので原文をごらんください⦅つまり書いていない⦆⦆
手も長ければ足も長い。
一見布で隠しているようですが、隠しきれていないのが、この「爪」のような肢なのではないでしょうか。
画像は夜の悪魔とされる「リリス」です。
聖書の中の『イザヤ書』の中にも出てきます。
ちなみにこちらはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に出てくる「リリス」です。
(ただなんとなく出してみました)
なんだか不可解だと思いませんか?
まとめ
いかがでしょうか。
原文はもっと長いです。
カットできるところはとことんカットし、言葉を言い換え、順番を入れ替えて、表現してみました。
この記事で伝えたいことは、『受胎告知』の「あの肢」は一体なんなんだ!? ということを思ってほしかったからです。
物足りない方は、原文をごらんください。
以上、勝馬訳でした。
ご感想、コメント、どしどし送ってください。全部目を通します!
コメント
父です。またの名を〝透明人間2号〟と称していますが、透明人間たちも、また、私自身の分身であり、彼らと私は「ひとりごと」をつぶやいています。
なになに「悪魔くん」というのはあだ名で、本名が「松下一郎」だとは知らなかった。
〝トレビアの泉〟ほどではないが、豆知識としては、ありがたい限りだ!
第2使徒リリスについては、よくわからんが、きっとリリスはリリスなのだろう!?