はじめに
この「翻訳」記事も#7まで来ました。
初見の方は「なんのこっちゃ?」と思われるので、簡単に説明します。
わたしの父は現在ブログを書いています。
内容は、「レオナルド・ダ・ヴィンチの謎」に迫るというものです。
面白い題材なのに、内容が難しいせいか、文章も難解で伝わりづらい。
そこで、わたくしりょうきちこと勝馬将太がそのブログを「翻訳」しているわけであります。
もし少しでもご興味がありましたら、ちょっと覗いてみてください。
不思議な迷宮へと、あなたをいざないます。
それでは第7弾、いきましょう(^^)/
こちら↓がその、透明人間さんのひとり、父のブログの原文です。
それではここからが勝馬の訳です。
よろしくお願いします。
前回までのあらすじ
ダ・ヴィンチの罠に踏み込んだ透明人間2号。
『最後の晩餐』『岩窟の聖母』『受胎告知』『東方三博士の礼拝』と見てきて、『受胎告知』へと戻った。
この謎を解き明かすことが、まるで「迷路」にはまったようなものなら、透明人間2号は迷路のなかのある部屋にたどりついた。
堕天使ルシファーの部屋である。
少し、寄り道ともいえる。
天使の中でも最高の位であったルシファーが堕天使となってしまった経緯を見た。
迷路は、ただ、道があるだけではない。
そこにはたくさんの「部屋」がある。
ルシファーの部屋を出た透明人間2号は、また次の部屋に踏み込んだのであった。
勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#7『リリス』前置き
チェッカーズというバンドをご存じだろうか。
チェッカーズは知らなくても、藤井フミヤなら知っている人はいると思う。
藤井フミヤがいたバンドが、チェッカーズである。
その、チェッカーズの、ヒット曲、『ギザギザハートの子守歌』には、こんな歌詞がある。
「あーわかってくれとは言わないが、
そんなに 俺が悪いのか
ララバイララバイおやすみよ
ギザギザハートの子守歌」
と。
動画で見るとこんな感じである。
現代の人から見れば、つまり平成、令和の人から見れば、「ララバイ」なんて死語で、なんのことなのかわからない。
「ララバイ」とは、「子守歌」という意味である。
だからチェッカーズは「ギザギザハートの子守歌」の中で、「ララバイ」と歌っていたのである。
(藤井フミヤが作詞したわけではないが)
勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#7『リリス』1
さて、
子守唄 = ララバイ(Lullaby)は英語ですが、
その語源についてはいくつかの説があるようです。
ひとつは、16世紀の中頃、Lull (穏やかな)という言葉と、バイバイ(Bye-Bye)の連続から生まれたとする説 …
もうひとつは、ヘブライ語の 「リリス アバイ(Lilith-abi)」で、英語で書くと「Lilith be going」 となって、意味は「リリスよ、去れ」ということになります。
悪魔とされるリリスから子供を守るユダヤ人(母親)たちが唱えた呪文が「リリス アバイ(Lilith-abi!)」で、
伝統的に新生男児の割礼の時に、リリス(複数でリリン)から身を守るために首のまわりに“3人の天使”の名前が書かれた護符を置く習慣があったといいます。
それを裏付けるかのような遺物が、アルスラン・タシュというシリア北部にある遺跡で見つかっています。
護符のように使われていたとされる皿状の遺物は中央に描かれた悪魔の周りをアラム語の呪文で囲って悪魔を呪縛することを象徴していて、その悪魔として描かれているのがリリスであり、その昔、幼くして子供が死ぬのは彼女の仕業だとされていたわけです。
同じような呪文の皿は、メソポタミアやイラン地方で数多く発見されており、大抵はインクを使用して中央にリリスを想定した悪魔が描かれていました。
ところで、日本語の「子守唄」の“子守り”には、子どもの世話をすることが第一義で、あやしたり、寝かしつける際に歌われるものというイメージですが、案外、本当の意味としては子どもを悪魔(災難や災禍)から守るためのものだったのかもしれません。
そうそう、子守歌で思い出したこの歌。
「ぼうや、よい子だ、寝んねしなぁ」
昔テレビでやっていた『まんが日本昔話』のオープニングです。
でんでん太鼓を持ったわらべが龍に乗って、空を翔るオープニングも今思えば、実に、意味深です。
なにせ、ドラゴン(龍)は西洋ではサタンなのですから …
ところが、東洋や日本での龍(ドラゴン)は、この昇り竜のような縁起のよい翔龍であったり、龍神(水神)として崇拝される存在で、中国では皇帝の権威であり象徴です。
神の化身であり、神獣でもあります。
アニメ、 『ドラゴンボール』の「神龍(シェンロン)」もそれですね。
話が飛んでしまいましたね。戻しましょう。
勝馬訳ダ・ヴィンチの罠#7『リリス』2
さて、前回の『堕天使』という記事で、天使長であるルシファーが堕天した理由のいくつか挙げました。
私としてはそのどの説も納得のいくものではありませんでした。
それでもあえて何かひとつ選ぶとしたら「ロスト・プライド説」です。
つまり、天使界のトップクラスにいたルシファーが神から「人間に跪け」と命じられたけれど、「このオレが土から作られたごときの人間どもに跪くなんてありえない、そんな神も信じられない」と、怒ったわけです。
神に歯向かうものの負けてしまったルシファーはそうして堕天使となるのです。
そして、聖書にあるとおり、蛇になり、エヴァをそそのかします。
神の計画を台無しにする敵、つまりサタンとなるのです。
ところでどうして神は人間と天使とのあいだに主従関係を求めたのでしょう。
それはわかりません。
わかりませんが、ダ・ヴィンチにとっては、人間に「知恵」を与えたルシファーは本当の意味の光の天使、英雄(ヒーロー)に見えたのかもしれません。
そういう前回の話を踏まえて、「リリス」の話をしましょう。
リリスとは、簡単にいうと、ユダヤの伝承において、男児を害すると信じられていた女性の悪霊です。
そして、アダムの最初の妻ともされています。(ここのところちょっと勝馬にはわかりません。あれ? エヴァじゃないの?)
どうしてリリスの話が出てきたのかと言うと、それがダ・ヴィンチのデビュー作である『受胎告知』につながるからです。
この絵にはしっかりとユリが描かれています。
ユリ(lily)は、中東では女陰を意味する花であり、シュメール・バビロニアの大地母神で
ユダヤ人からはリリス(リリト) ― Lilith の花でもあったのです。
そしてまた、「リリス」の語源も調べてみると、「夜の女性的存在」という意味も含まれているようです。
と、いうことは、本来であれば処女懐胎であったマリアを描いていた『受胎告知』ですが、そこにユリの花を描いたということはつまり……。
マリアは処女ではなかったと言えなくもないのではないでしょうか。
まとめ
ララバイララバイ、つまり、「リリス、バイ・バイ」なのですが、書きながらわたしも「なんのこっちゃ」と思いました。
頑張って翻訳、要約してみましたがいかがでしょうか。
詳しく知りたい方は原文をごらんください。
次の翻訳も書ければよいのですが……。
コメント