無料体験教室

雑文

 無料体験教室に行ってきました。

 ヤマハの音楽教室です。

 先日、僕が持っていたグラスルーツのレスポールタイプのエレキギターを修理に出しました。

 18歳のときに買ったもので、それからほとんど使っていなくて10何年以上も封印していたギターです。

 ところどころボロボロになっていてすべて直すのには4万円くらいかかるそうなのですが予算がなかったので2万円で出来るところまでお願いしたのです。

 修理から戻ってきた際に、僕はギター教室の無料体験を申し込みました。

 ギターを習いたいのです。

 それというのも、僕は作家で、駆け出しのボカロPでもあります。

 いままで打ち込みのみで曲を作っていましたが、どうしてもギターの音が欲しいのです。

 あと、かっこいいリフやギターソロも曲の中に入れたいけれど、いままでほとんどギターなんて触ったこともないので何も思いつきません。

 アウトプットするために、インプットが必要になったのです。

 そこで、ちゃんと習いに行こうと決めました。

 若い頃は「独学」というものに執着していましたがなんだかんだ言って「やらない」のです。

 ええ、それで10何年間も過ぎていってしまったのです。

 18歳で楽器を始めるのは遅いと思っていましたが、仮にちゃんといままでやってきていたのならそうとうの腕になっていたはずです。

 もったいない10数年間でした。

 僕は38歳です。38歳でギターデビューなんて遅いのかもしれませんが、これから10年やっていったらまともになるんじゃないでしょうか。

 音楽に年齢なんて関係ありません。

 のんびり楽しくやっていこうと決めました。

 そして待ちに待った体験教室。

 約束の時間よりも20分前に着きました。

 アンケートに記入して「Lスタジオ」という部屋の前で待っていました。

 少しして先生がやってきました。

 アンケートを渡します。

 そして部屋に入る。

「すごい荷物だね。ライブでもやるのかと思ったよ」開口一番そう言われました。

 僕が持ってきたのはハードケースに入ったレスポールタイプのエレキギターと、エフェクターなどが入っていそうな四角いケースと、いつも持ち歩いているバッグです。

 いままではしょぼいソフトケースしか持っていなかったのですが、テンションを上げるためだけにグラスルーツのくせに別注のハードケースを買ったのです。

 エフェクターは持ってきてません。

 それから、持ってきたギターを出しました。先生がまじまじと見ます。「綺麗ですね。いい音がなりそう」と褒めてくれました。

 ギブソンじゃなくて、グラスルーツでごめんなさいという気持ちでしたが僕はグラスルーツというところが本当の初心者らしくて何気に気に入っています。

「ずいぶんホコリをかぶっていたんですけど修理してもらったのでそのおかげです」と僕は答えます。

 それから、自己紹介をし合いました。

 先生はビーズのギターの人に憧れてギターを始めたそうです。20年やってきたのだそうです。

 僕はビーズを全然知りません。名前だけ聞いたことがあります。ウルトラソウルの2人組だったと思います。Bzなのか、B’zなのかも知りません。(晴美さんごめんなさい。←晴美さんはビーズが好き)。

 僕はやろうと思ったきっかけと目標を話しました。

 うんうんと興味深そうに先生は聞いてくれます。

「ミュージシャンじゃん」と先生は言いました。「面白い」とも言いました。

 僕は謙遜して首を横に振ります。打ち込みのみで曲を作ってYouTubeに上げているだけです、と答えました。

「ミュージシャンじゃん」と先生は同じことをもう一度言いました。

「何かミュージシャン名とかあるの?」と聞かれたので、「りょうきちです。平仮名でりょうきちです」と答えました。

「へー、聞いてみたい」先生は僕の拙い作品にも興味を持ってくれました。嬉しいです。

「じゃあセッティングから始めようか」ということになりました。

 僕は何も知らないテイで居ました。そのほうがちゃんと基礎を学べる気がするからです。

 荷物からシールドを出し、先生の教えのとおりにアンプに指しました。

 電源を押し、つまみを弄りましたが音が出ません。

 まさかちゃんと修理されていないのではないかと心配になりましたがいじっていた「つまみ」が違ったのです。

「右の」と言われたのでそのとおりにやったらちゃんと音が出ました。

 だけどノイズが走ります。ガリガリいいます。

 先生がやってきて、シールドを抜きました。「ああ」と言っています。

「これはガリと言って、シールドが錆びたり劣化しているとちゃんと信号が送れなくてこうなっちゃう」と、説明してくれます。

「音が出ないわけではないんだけど場合によってはアンプに負担がかかっちゃうからあまりおすすめしないです」

「すみません。ほんとうに10何年ぶりなんです」

「とりあえず今日は僕のを使おう」

 先生がシールドを貸してくれました。すると、全然ノイズが走らず、ちゃんと音が出ました。

 今日、帰りに新しいシールドを買うことに決めました。

 次に、「チューナーは持ってる?」と聞かれたので持ってきたチューナーを出しました。

「懐かしい! 年季が入ってるね。ああ、昔はこんなだった」と先生は驚きました。そのことに僕も驚きます。

 僕がチューニングを自分でやるのか先生が代わりにやるのかどうか選ばせてもらえたので先生に任せました。出来ないわけではないのですが、どうやってやるのが正しいやり方なのかを知りたかったからです。

 先生は丁寧に教えてくれました。

 セッティングが終わりました。

 その次は、「かまえ」です。

 僕は立ってやるものだと思っていましたがスクールでは座ってやるそうです。何かコンサートとかある場合は立って練習することもあるそうですが基本は椅子に座ってやるそうです。

 座り方、ギターの置き方、手の置き方を教えてもらったあと、ピックの種類とピックの持ち方を教わりました。ギター初心者のくせに、僕は愛用のピックがあります。カメさんピックのオレンジです。

 今日の流れを簡単に説明されたあと、早速レッスンが始まりました。

 まず、「お手本」を聞きました。先生が曲に合わせてギターを弾きました。

 ほとんど左手が動かない本当に初めての人向けのリフでしたが途中にスライドを入れたり最後にうにょうにょしたりしてかっこいいものでした。

「かっこいい!」と素直に言います。

「聞いたことありますか?」
「ないです」
「ヴァンヘイレンの曲が元です。ヴァンヘイレンをご存知ですか?」
「聞いたことはあります。名前だけ」

 本当は『いとみち』という僕の大好きな小説の中に出てきて、そこで主人公の「いと」のおばあちゃんが津軽三味線でヴァンヘイレンを引き鳴らすという話があるのですが話すとながくなりそうだったので言いませんでした。無料体験は30分しかない。

「それでは、やってみましょうか」

 フレットの説明をされたあとに、6弦の3フレットと5フレットを人差し指と薬指で押すのだと教わりました。

 言われたとおりにします。

「それでは、やってみましょう」

 先生がリモコンを押しました。「か、、か、、か、か、か、か」と鳴り、音に合わせてやってみました。

 意外にも出来ました。

「すごい! 出来るじゃないですか。あとは音が最後伸びてしまうので右手でここを抑えると良くなります」

 つまりミュートするということですが僕は知らない振りをして教わったとおりのことをします。

 もう一度音に合わせてやってみました。

「おお! 出来てる出来てる」先生がパチパチ手を叩きます。「初心者の体の動かし方じゃないです。普通の、本当の初心者の方はここまで出来るのにもっと時間がかかります。ここまでで無料体験が終わってしまいます。勝馬さん凄いですね。センスあります」

 褒められるって気持ちがいい。それに、いい音が出てくるので更に気分がいい。

 その後、いろいろとあったのですが話すと長くなってしまうので割愛します。

 お話をしながら、レッスンが進み、充実した30分を過ごすことが出来ました。

 30分は短いと思っていましたが結構実りのある30分でした。

 そして、なにより楽しい。純粋に楽しい。

 あのホコリを被っていた僕のグラスルーツちゃんからエレキギターらしいちゃんとした音が出たことに感動しました。

 簡単だったけれど、ギターのリフっぽいリフも弾けてこれから先もやっていけそうな気がしました。

 もう、入会することに決めました。

 挨拶をして、終わりました。もう次の生徒さんが部屋に入ってきています。なんとお母さん連れの小さな子どもでした。

 小さな子どもに、小さな青いエレキギターが見えました。

 こんな子も習っているのかと驚きながらも、自分が小学生の頃にイヤイヤ習っていたバイオリンやらピアノやらを思い出したりしました。

 受付で、早速入会の手続きをしました。

 すぐにでも次のレッスンを受けたかったけれど今月は仕事の都合で出られないので4月からのスタートになりました。

 ひと月1万2千円くらいですが、高くはないと思います。

 手続きを済ませたあとに新しいシールドと青いクロスを買いました。

 次のレッスンが楽しみです。

 今日はいい時間を過ごせました。

 いま、とってもわくわくしています。

 楽器を弾くって楽しいです。

 おわり。

 

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