今日は、月に一度の通院日。
メンタルクリニックと内分泌科へ行きます。
統合失調症とバセドウ病を患っているからです。
とはいっても、体調面も、精神面も良好です。
なので僕は薬をやめたいと常々思っています。
特に、エビリファイという薬をやめたいです。
先月の診察で、ようやくエビリファイの量を減らすことができました。
減らしてみても、特に変わったことはありません。
なので今日こそエビリファイをやめたいと思っています。
ところが、物事は良くない方向へと進んでいくのでした。
病院の人事異動で、両方とも先生が変わります。
どんな先生が来るのだろうと少し不安でした。いい先生だったらいいのになと思っていました。
まずはメンタル。
先生と対面です。
若い男の先生でした。マスクをしているせいか、一層若く見えます。大学生と言っても不思議じゃないくらいでした。
少しやりとりをしたあとに、思い切って「薬をやめたい」と言いました。
すると、先生は「それはできない」と言いました。
先生の言い分によると、やめると、再発するということです。
そんなことを言ったって、僕は退院してからずっと調子がいいし、いままで薬をやめることを目標としてここまできました。そしてようやく先月薬を減らすことができたのに、どうして先生はそんなことを言うのだろうと思いました。
そのことを正直に言いました。
先生は聞く耳を持ってくれません。「世界の医学的見地からすると薬をやめると再発する。なので薬をやめることはできない」の一点張りでした。
「やってみなきゃ分からないじゃないですか」少し怒って僕はそう言いました。
「そう言ってやめてみて、再発してしまったという例が多いです。なので、薬をやめることはできません」
「ずっと飲まなきゃいけないってことですか?」
「そうですね。ずっとです」
「そう言われると、絶望的な気持ちになります。いままで、薬をやめることを目標にしてやってきました。その目標を蔑ろにするんですか?」
「薬をやめるのを目標にしないで、薬を飲むことによって通常の社会生活を送ることを目標にしてください」
話にならない、と僕は思った。
この人は駄目だ、と、思った。
僕の思いをまったく汲み取ってくれない。せめて「その気持ちはわかります」とか、言ってくれたのなら、こちらの受け取り方も違ったものになったろうに、先生は頑なに自分の主張しか言わない。
もうほんと、話にならないと思った。
この先生とは信頼関係は結べないと感じた。
これ以上話しても無駄だと思ったので、僕は諦めた。諦めたというよりは、「もういいや」と思った。
早々に次の予約を取って診察室から出た。
ひどくイヤな気分になった。
次は内分泌科である。
ファイルを置き、僕は煙草を吸いに一旦外に出た。煙草を吸わなきゃやってられない。
煙草を吸って、戻ってきたけどどうにも落ち着かず、病院の自販機でコーヒーを飲み、待合室のベンチに座ったけれど、すぐに席を立った。
売店へ行き、パンとシュークリームを買った。
食べる。
なんか、食べなきゃやっていけない気分だった。
再び待合室に戻ると、すぐに呼ばれた。
思っていたよりも待たなかった。
内分泌科。ここでも、先生が変わるので今回がはじめての対面である。
部屋に入ると、一瞬で「あ、合わない」と感じた。そういうのってある。大抵一瞬で分かるし、その直感はだいたい当たる。
先生は何か怒っていた。男の先生。若くはないが、どこか威圧的な感じがした。
「甲状腺の数値が上がっています。バセドウ病が再発しています。薬はちゃんと飲んでいましたか?」
「そういえば5日前くらいから薬がなくなったので飲んでないです」
「とても悪くなってます」
「はあ」
「いままでメルカゾールという薬を一日2錠飲んでいましたが、今日から3錠にします」
「はい」
「ちゃんと飲んでください。悪くなってます」
なんだか自分が責められているような気分になった。わざと薬を飲まなかったんじゃない。なかったのだから仕方がないじゃないか。
「それでは次の診察は……」
あ、合わないと僕は思った。メンタルの先生も合わなかったけど、今回の内分泌科の先生も合わない気がした。
前の先生の方がよかった。前の先生は血液検査の結果を細かく見せて説明してくれたし、話しやすかった。
そこで、診察は終わりです。
少し憂鬱な気分になった。この先しばらくあの先生とやってくのかと思うとイヤな気分になった。
お会計。
お会計がずいぶんと長い時間待たされた。
お会計を済ませると、薬をもらい、病院を出た。
なんだかイヤな一日だった。本当、前の先生に戻ってきて欲しかった。
今日の通院で、改めて自分が病気持ちであることを知る。
永遠に薬を飲み続けなければ通常の社会生活が送れない体。
たった5日薬を飲まなかっただけで異常に数値が上がってしまう僕の体。
この先、死ぬまでそういった病気と付き合っていかなければならないと思うとうんざりした気持ちになった。
本当は、もう薬なんて飲みたくないし、通院するのもイヤだった。
だけど、それは避けられないことのようだ。
せめてもの救いは、死に直面した病気ではないということ。目が見えなくなるとか、食事制限が課せられるとか、痛みが走るとか、そういったことがないこと。それをありがたいと思うことにしよう。
健康って大事だね。
それではまた✩
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