仕事の気づきと和やかさ

雑文

 今年の1月からレストランで働くことになって2ヶ月が経った。

 正確には今日で33回出勤している。

 飲食店での経験はあったけれど、新しい職場というものは不安が多い。

 これまでいろいろと注意されてきたし、怒られてきた。

 それでも最近はようやくお店にも慣れてきて仕事にも慣れてきた。

 怒られることも減ってきたし、仕事に楽しみを感じられることも多くなってきた。

 ホールで覚える仕事もいよいよ最終段階に入ってきた。

 今日は土曜日。

 慣れてきたといっても、土日はプレッシャーを感じる。

 そして、新しいポジションなので不安が多い。

 ご予約は3件だった。

 出来ることなら忙しくならずに平穏に過ごしたい。

 ポジションはアフターである。

 アフターとは、お客様のテーブル状況を把握して料理を出すタイミングを調整する役目を負っている。

 非常に頭を使うので、ホールの業務の中で一番難しい。アイさんは「嫌だ」と言っていた。

 11時開店。

 いつもならガヤガヤと来店があるのだが今日は静かだった。

 11時ご予約のお客様も来ない。

 このまま平穏であればいいのにと願っていた。

 忙しくなってきたのは12時を越えたあたりだろうか。

 どんどんと席が埋まっていき、ウェイティングも出来た。

 伝票とテーブル状況を把握するのに必死だった。

 めちゃめちゃ気をつけていたけれど、抜けてしまうこともある。

 5番テーブルの料理待ちを失念していて、晴美さんから注意を受けた。

「デザートならまだ待てるけど料理は出来るのにも時間がかかるし待たせてしまうとクレームになっちゃうから気をつけてね」と言われた。

 ごもっともである。

 今日、言われたのはそれくらいだった。

 働き始めた当初はガミガミ言ってくる晴美さんがとても苦手だったけれど最近は仲良くやっている。

 晴美さんストレスはほとんどなくなった。

 気を張り詰めることもない。

 最近気がついたことだけど、「全部自分でやらなくてもいい」という感覚はとても助けになっている。

 一緒に働いているスタッフの動きを感じ取ると、自分がどう動けば良いのか分かる。

 自分が行けないときは誰かが行ってくれるし、その逆もある。

 チームで動いている感がある。

 飲食での経験が長いのでその感覚の大切さはよく知っている。

 忙しくなればなるほどチームで動くことがより重要になってくるのだ。

 うまく意思疎通が出来て、全体で問題を対処していく感覚はある意味快感でもある。

 レストランで働くことの「やりがい」はこういうところにある。

 うまく捌いていけると、とても気持ちがいい。

 まあ僕は忙しいのはイヤなので、出来れば避けたいけれど、忙しいときの対処法は全体で動くことを意識することだ。

 入りたてのころはビクビクしていたけれど、2ヶ月が経って、自分で出来ることが増えてきたので、心に余裕が生まれてきたのだと思う。

 もちろん油断は禁物である。

 油断せずに、リラックスした気持ちで今後も働いていきたい。

 今日は3時半に上がることが出来た。

 2階の控え室へ行く。

 帰り支度をして煙草を吸う。

 マネージャーと晴美さんがいて、僕が煙草を吸っているとアイさんも上がってきた。

 雑談をする。

 帰り際に晴美さんに話しかけてみた。

「ところで晴美さん。B’zのベストみたいのってありますか?」

 晴美さんは大のB’zファンなのである。

「ああ、聞いちゃった」とマネージャーが嘆息をあげる。「語りだしたら止まらないよ」

「え、なに!? しょうちゃん聞くの?」晴美さんは乗り気である。

 実はギターを習うことになって、その先生がB’zが好きらしくて、一体どんな曲なのか気になって、と理由を説明した。

「あるよ! んー、いい曲がいっぱいあるから選べないな」

 晴美さんはB’zのギターの松本さんについて語りだした。

「あーあ、しょうちゃん帰れなくなっちゃう」とアイさんは言って帰った。

「え、僕も帰りますよ」

 語りだした晴美さんを止めて帰ることにした。

「持ってくるね」
「やったー!」

 なかなかに和やかな雰囲気で仕事を終わることができた。

 明日一日頑張れば休みである。

 明日も平和に過ごしたい。

 

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